東日本大震災から10年が経ちました。あの時は埼玉でも揺れが壮絶で、倒れそうになる本棚を必死に押さえていました。浦和にある教会が東北へのボランティアの拠点になっていましたが、ボランティアの方々が現地から戻ってくると、あまりの悲惨さに言葉を失い、精神的ダメージも受けておられました。
当時、仙台にいる牧師と話をしました。ロトの家族に主が「命がけで逃れよ。後ろを振り返ってはいけない。低地のどこにもとどまるな。」そう言われたけれども、誰かを想い振り向いたロトの妻と、故郷や家族や近所の人たちを想い助けるうちに巻き込まれて亡くなっていった多数の命とが重なると話してくれたのです。私には塩の柱とされたロトの妻が「もうこれ以上の犠牲は出さないでほしい」と懇願しているようにも聞こえてきます。
沖縄も今後30年間で震度6以上の地震が起こる確率は、6~26%だそうです。召されていかれた方々の想いを無駄にせず、備えつつ、互いの命を守ってゆきましょう。(柴田良行)2021年3月14日週報